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じゃなくて

トースト小僧だったんだな 俺


赤い「シキシマパン」や


青い「ヤマザキパン」の看板を掲げた駄菓子屋が


街中のいたるところにあった時代


朝食のトースト用の食パンを買い出しに行くのは


自薦立候補した俺の担当だったのさ


きまってお袋は1斤ずつ袋に入った8枚切りを買ってくる


それがイヤでさ


だってあの頃のパンの8枚切りって


トーストした日にゃあ


まるで


なめし足りない牛革でふちどった


干からびた大判の油揚げみたいになっちゃうんだもん


「まるごと1本、2.5㎝でスライスして下さい。」


子供心ながら


それはどうしたって人にはゆずれない


お使いの醍醐味だったのさ


我が家のために毎週2本ずつ


多く仕入れてくれていたあのおばちゃん


ある日をさかいにトースト小僧がとんとあらわれなくなったのは


奴がパン屋になっちゃったからだなんて


きっと思いもしなかったろーな(^^)