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通りを往く車もまだまばらな早朝、

工房の南側を流れる用水路を水場にしている野鳥たちが、

春を迎えるための新しいステップに磨きをかけています。


鳥に詳しい訳ではないから、

名前までは知らない。


日によって5種ないし6種、

総勢20羽ほどの気取りやサンたちが、我こそはと競い合う。


高く響く透き通った声が自慢の彼は、いっそう空に向かう。


長くまっすぐに伸びた尾羽が自慢のあいつは、これみよがしにアスファルトを叩きながらスキップ。


小刻みな速い足さばきが得意な小さな紳士は、見えないほどにスピードを上げる。


用水路の反対側のフェンスに陣取るギャラリー、

若い雀たちと僕は、見逃すまいと時を忘れる。


こんな朝の日課も、パン屋ならではの楽しみなのかもしれません。

急いで仕事に戻らなきゃ。 


ぱん衛門